美しい声でなく美しい歌
10年前の今頃、声楽の師匠に出会い、歌うという新たな趣味を手に入れた。
途中、何度も挫折(というかいそがしかったり何だり)したため、歌ってる期間はトータル5-6年というところだろうか。
昨年から本腰入れて、定期的にレッスンに通っていて、今のところどうにか時間の確保は出来ている。
そもそもこんな悪声の私が歌いたいと思ったのは、20歳を過ぎた頃。
その頃はアマチュアオケでヴァイオリンを弾いていて、歌には全く興味なかった。
オペラ?見ないし、聴かないし…
序曲や間奏曲だけでよくない?
というくらい、オケ最高な頃だった。
ちょっとしたご縁で第九を演奏する機会があり、その時に人の声という楽器は、どんな楽器にも敵わないと感じた。
3楽章までどんなに素晴らしく演奏しても、全てを歌に持って行かれる。
第九って弾いてる方はなかなかハードなのに、最終楽章でしか出てこない歌に全て持ってかれるの。
その時に思った。
いつか私も歌いたい!
その後、オペラもかじる程度に観に行ったり、映像を見たりするようになったけれど、交響曲が好きなのには変わりなかった。
数年の時を経て、社会人となり、今でいうブラックな企業で働き、転職をして落ち着いた頃、ふと何か始めようと思った。
その時に今こそ歌わなきゃと思い、師匠のお教室の扉を叩いたのだった。
それが10年前のこと。
この10年で、歌うことは大好きだけれども、聴くことはもっと大好きだと気付いた。
そして初めて本心でオペラって素晴らしいと思えるようになった。
今はクラシック音楽やオペラを楽しめる耳を持てたこと、感性を持てたことが、自分自信の財産だと思ってる。
相変わらずの悪声だけれども、歌うことの楽しさを味わいながらの、まだ歌ってない多くのお気に入り曲を、これからものんびり歌っていけたらいいなと思っている。
私が一番最初に知ったオペラ歌手はマリア・カラス。
どんなに興味がなくても、彼女の名前は知っていた。
初めてきちんと聴いた時は、決して美声とは言えない歌声に、なぜ彼女がこんなに世紀のディーバと謳われたのだろうと疑問を感じたが、今なら分かる。
人の声は誰1人同じものではなく、強烈に個性のある楽器。
美声でなくても、美しく歌うことは出来る。
マリア・カラスの歌って、美しい歌声ではなくても、美しい歌。
聴くだけで分かる感情の起伏と高度なテクニック。
声質も違うし、目指すべき場所はここではないけれど、やはり憧れのディーバであることは間違いない。
マリア・カラスの歌は、美声ではなくても美しく歌うことは出来ると私を勇気付けてくれ、深い曲の理解やテクニックを磨くことは、美しい歌に仕上げてくれるための基盤であることを教えてくれる。
初めて10年。
声はどんどん変わっていけども、その時の自分の声に合った歌を歌っていきたい。
80歳のおばあちゃんになっても歌っている自分がいるといいなと思っている。
よく聴いているアルバム。
このジャケットも好き。
同じポーズで写真を撮っておいて、遺影にしたいくらい(笑)
- アーティスト: マリア・カラス,アントニーノ・ヴォットー,ガブリエーレ・サンティーニ,ジョルジュ・プレートル,トゥリオ・セラフィン,ニコラ・レッシーニョ,ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2014/09/24
- メディア: CD
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マリア・カラスの歌声を聴いてからネイルサロンに行ったので、今回のネイルはマリア・カラスをイメージ。
マリア・カラスの歌を聴いてたので、その気分で今回のネイル。これで上手に歌えるようになればいいのに
今週末のレッスンも頑張るぞー!