二次元が三次元に飛び出してきた!
王家の紋章 2016.8.8 ソワレ
大好きな少女漫画、「王家の紋章」がミュージカル化される!
しかも大好きな濱田めぐみさんが出演される!
ということで、行かないという選択肢はなかったこのミュージカル。
しかし、チケット争奪戦がなかなかのもので、どうにか1枚、平日ソワレを確保して観劇することができました。
原作が好きなものは、裏切られる傾向にあるので、過度な期待はせずに向かいました。
幕開けから王家の紋章の世界観が満載。
セットは微妙だけど、衣装が素敵。
なんなのー。
漫画からキャラが飛び出してきたのではないかというくらい、完成度の高いコスプレ!!
←コスプレではありませんww
音楽はシルヴェスター・リーヴァイ氏のエッセンスが詰まった音の重なりにしびれる。
旋律の美しさというよりも、和声の美しさが際立つ感じ。
中には、うーん、古臭い?と思えるような曲もあったけれど、重唱が面白いかも。
特に、伊礼さんのライアン、浦井くんのメンフィス、マモ様のイズミルのトリオとか個人的にとても好きでした。
ではキャスト別感想。
浦井くんのメンフィスはキラッキラの王子様でした。
王様というよりも王子様。
彼のキャラ的に原作の俺様度が出にくいのかな。
アイドル感満載で、そこは少女漫画の世界を崩してなくて、歌い方しかり、仕草しかり、少女漫画でした。
あと、マントね。
マント捌きが絶妙。
ファサッとマントを捌く姿が素敵でした。
メンフィスの持つ強さを内面で表現してるように見受けられましたが、これがもっともっと表に出てくると、メンフィスの雄々しさが増してくるのかなと思いました。
宮澤さんのキャロルはキャピキャピしてて、そこは原作に近い。
ミュージカルはお初かしら?まだまだ課題はあるかもですが、エジプト軍がヒッタイトを攻めるシーンで、自分のために命を落とす兵士たちへの思いは、とても強く伝わってきて感動しました。
歌も頑張ってるけれど、脇の役者さんたちのレベルが高すぎるから大変だろうなー。
可愛くて元気なキャロル、頑張れ!!
宮野さんのイズミルは、雰囲気がイズミル!
声優界には明るくないのですが、知人が好きなマモ様なので、どんなだろう?と楽しみにしていました。
背丈も舞台向きだし、声も良いので、ミュージカル、向いてるかもしれませんね。
パワフルな歌声はさすがでした。
原作でメンフィスではなくイズミル派な私にとって、メンフィスは5割増しに素敵に思えるのですが、それを差し引いても、素敵でした。
歌い込むシーンでは、歌に入り込みすぎてる感が否めなかったので、そこで演技がついてくるともっと素敵なイズミルになるではないかしら。
めぐさんのアイシスは予想通り素晴らしい完成度。
圧倒的な歌のパワーにただただ引き込まれました。
本当に演技といい、歌といい、素晴らしすぎました。
めぐさんって、しっかり役を自分のものとして舞台で生きてるので、どんな演目を見ても、こちらまで感情移入してしまいます。
アイシスの強さ、恐ろしさ、メンフィスを愛しすぎてしまうがゆえの弱さ。
どれも感情が舞台で生きていて、この人の立つ舞台を見れて、この空間にいれて幸せと思う素敵なアイシスでした。
祐一郎さんのイムホテップも、出番はそこまで多くないものの、舞台に欠かせない要素でした。
歌はやはり以前のパワーはないのですが、そこにいるだけで舞台を支配してしまうかのような存在感はさすがです。
そして、所々、可愛いんですよ、この方。
どっしりと構えて、舞台を支えている、そんなイムホテップでした。
そしてそしてルカ!!!
一番、原作に近く、いや、原作のルカそのままでした。
ちょっとした動きも華麗で、ルカがいる!本物のルカがいる!と何度も思ってしまうほど。
キャロルを慕う姿や、いざというときの頼れる強さ、でも実は裏がある。
そんなルカがそのまま漫画から飛び出してきていて、ルックスも仕草も本物。
すごい良かったです。
伊礼さんのライアンも出番こそ少ないし、ちょっと勿体無い使い方なんだけど、だからこそ伊礼さんくらいの方でないとダメなのかも。
嫌味ない存在感、重要です。
ミタムンも動きが美しい!!舞台に花を添えてる(あんな格好だけど)のですが、あそこまで出す必要ありますかね?
演出としてここは文句を言いたい。
安売りしないで!!!
もっと効果的に使って!!
とまぁ、ざっとキャスト感想はこんな感じです。
ストーリーとしては、かなり無理矢理進めてたりもするし、セットもショボいけれど、原作ファンとしては、本当に漫画から飛び出してきたキャラに会えることが何よりも楽しかったです。
二度見たい!!
しかし、それ以上はないかな…
そこまではハマらないけれど、原作が三次元になったことが嬉しくてたまらない。
ディズニーランドでミッキーを発見して、普段好きでもないのに、やたらテンションが上がっちゃう、そんな感じです。
あーー、めぐさんの歌声、また聞きたい!
再演も絶対に行くから!!←なんだかんだハマるかも…ww
17年
17年前、大切な家族が他界しました。
毎年、この季節がくると思い出す。
そこまで仲良くなかった妹だけれども、私たちの共通点は音楽。
共に音楽が大好きということ以外、何一つ合うことはなかったけれど、ちょっと口ずさんだ時にハモったり、このCDいいよーと話したり。
彼女がよく弾いていた音楽が流れると、今でも彼女の奏でる音を思い出すことができる。
私は早々に音楽の道に進むことを諦めたけれど、妹はきっと音楽の道に進んでいたんだろうな。
いろいろと回り道をしている私だけれども、どんな時でも音楽は忘れない。
音楽だけが繋いでくれた姉妹の絆。
何年経っても、どこにいても、それは変わらない。
今でも天国で音楽を楽しんでいるといいなと思います。
素晴らしすぎたギルバート×都響のマラ5
今日は会社を定時でさっさと上がって、サントリーホールに向かいました。
ちょっと楽しみにしていたアラン・ギルバート×都響のマーラー5番を聴くために。
マーラーは大好きな作曲家。
だから気持ちがだるい月曜日からマーラーを聴けるなんて朝からうきうき。
浮足立ちすぎて、前プロがモーツァルトの25番だったことをパンフを開くまで知らなかったことは秘密。
モーツァルトの25番は数ある交響曲の中でも、かなり有名な名曲。
私もかつては演奏したことのある曲だけど、やっぱり都響の弦は響きが美しい。
管も良い。
もちろん探せばアラはあるけれど、ネガティブは折角お金払ってるからあまり気にしないでいたい主義のため、良いところを素直に素敵だなと思いながら聞いてました。
とっても繊細で緻密な音楽。
古典の良さが出ている。
モーツァルトってこう優雅で美しくてなんぼなんだよね。私的には。
だからこのホールではちょっと寂しいんだけど、でも美しさに気持ちがうっとり。
そしてメインのマーラーの5番。
1楽章出だし。
うわーーーーと感動。
高らかに歌うトランペットの音が心地よい。
しかし直後、とにかく湿度が高い。
東京の梅雨の湿度より高い。
重いのではなく、とにかくウェット。
リズムもゆったり目。
これが2楽章も引き継ぐんだけれども、華やかさが違う。
徐々に興奮状態に持ち上げていく。
管もがんがん鳴らして、弦もダイナミックで、興奮MAX。
ヤバい。
いいかも、今日の演奏。
さっきまでのウェットな空気がカラリとして晴れ晴れした感じ。
踊るような歌うような3楽章。
緊張と楽しさが交互に現れて、音楽が追いかけっこしていて、空気がどんどん変わっていくのを耳だけでなく全身で感じる。
楽しい。
美しい。
カッコいい。
甘美な4楽章は繊細で美しい。
どんな小さな音さえもきちんと響いている。
そして美しい中での緊張感。
5楽章は終楽章にふさわしいピークがあり、感動を通り越して大興奮。
聴いている私がなぜかアドレナリン大放出。
最後の最後まで響きが美しかった。
ギルバード氏がとにかくオケを揺らし、うねりのある音からエネルギーを爆発させ、かと思えば繊細で緊張の音に近づいた心を遮断されるかのような空気を出してきたり。
彩色豊か、けど骨太なマーラー。
美しいだけでない。
とにかくダイナミック。
都響からこの音を出させたギルバードさん、すごい。
そしてギルバードさんのタクトに反応よく付いていく都響、すごい。
アメリカナイズされた緩急あるドラマティックなマーラーだった気がする。
でもこれが興奮を呼び、すごい集中力で一音も逃さず聴きたいと思わせ、感動が生まれた。
(聴き終わったとはぐったりだったけど)
日本で、日本のオケで、こんなに骨太だけどドラマティックなマーラーが聴けるなんて思っていなかった。
音楽の女神が降り立った。
その瞬間に立ち会えた。
そんな思いでいっぱい。
今夜の公演を聴くことができて、本当に幸せです。
音楽の神様、ありがとう。