nats-LOG

オペラ、クラシック、旅、ファッション、ラグビー、時々ジャニネタと好きなことを気ままに書いてます。

ワーグナー「ラインの黄金」日フィル 東京文化会館

2017.5.27

会社帰りにサクッと上野へ。

日フィルのラインの黄金を聴きにね。

今回はコンサート形式だったので、セットがなかったが、お衣装と照明でしっかりオペラしてた。

セミステージな舞台だったので、ただ音を聴くだけでなく、視覚的にも楽しめた。

照明だけでも十分世界観は出せるし、下手に映像使うよりも、品が良くて大変好感が持てる演出。

 

オケは久しぶりの日フィル。

シーンにより、音色がガラリと変わり、音楽による演出効果を発揮していた。

音色の変化がすごく楽しめて、やるなと思った。

 

ただ音的には軽くはないけれど、厚み深みに欠けるのは致し方ないのかな。

日本のオケは音の美しさは出せるんだけど、どうしても厚みが出ないのよね。

ブーしたくなるところ(特に冒頭)もあったしね。

 

歌手陣も平均して良かった。

コンサート形式の最大のメリット、オケの壁が前にないし、反響版の助けもある。

音のバランスとして、ストレスなく聴けたことが良かったと思う。

 

コンサート価格だったことも有難い。

なかなかこの価格でオペラを楽しめることは、日本ではないからね。

すごくコストパフォーマンスが良くて、お得な気分になった。

 

コンサート形式も悪くないと思った。

毎度思うんだけど、どこかのオケさん、ぜひリエンツィやって!

 

歌手陣に触れると、アルベリヒのファイフェさんが素晴らしかった。

歌、演技とさすがで、これだけでもチケ代の元が取れてしまうと思う。

 

そしてこの日の代役、ローゲ役の西村さん。

ローゲは物語の進行で重要なパートだと思うんだけど、飽きさせずにストーリーを進めていた。

何より演技が良かった。

きちんと魅せてくれる演技は日本人ぽくなくて、ついつい見入ってしまった。

声はワーグナーに合う声ではないと思うんだけど、良いテノールだなと。

 

また、ミーメの与儀さんも歌、演技ともに良かった。

姑息なミーメの雰囲気を十分に醸し出していた。

 

それにしても2時間半、ノンストップはすごい集中力がいる。

音の切れ目なく進むから、もうどこで息をしたら分からなくなったわ。

終わった後の疲労感が半端なかった。

 

 

指揮:ピエタリ・インキネン[首席指揮者]
ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
フリッカ:リリ・パーシキヴィ
ローゲ:西村 悟
アルベリヒ:ワーウィック・ファイフェ
フライア:安藤赴美子
ドンナー:畠山 茂
フロー:片寄純也
エルダ:池田香織
ヴォークリンデ:林 正子
ヴェルクンデ:平井香織
フロスヒルデ:清水華澄
ミーメ:与儀 巧
ファーゾルト:斉木健詞
ファフナー山下浩

演出:佐藤美晴
照明:望月太介(A.S.G)
衣装スタイリング:臼井梨恵