ベルリンコンツェルトハウスのマラ5
仕事帰りに久しぶりに東京文化へ。
学生時代、よく通った文化だけど、実に久しぶり。
昨年、ベルリンを訪れた時は、ちょうど良い公演がなく聴くことが出来ず、ホールだけを見てきたんだった。
今回、前プロは上原彩子がソロでモーツァルトのピアノコンツェルト。
ピアノコンツェルトはほぼ聞かない。
ましてやモーツァルトのピアノコンツェルトをまともに聴いたことってあったかしら?な状態だった。
上原さんといえば、チャイコフスキーコンクールでの輝かしい成績で有名になった方という認識。
柔らかなタッチで始まり、女性らしいピアノと思いきや、緩急つけて勇ましい音も奏でいた。
ホールがキラリとしたピアノの音で包まれる。
オケに寄り添うように演奏していたことが印象的だった。
もちろんソロなので、主張すべきところは主張してくるんだけれども、自分勝手にならない演奏に好感が持てた。
たまにはピアノを聴くのも悪くない。
メインは楽しみにしていたマーラーの5番。
このオケはどのようなマーラーの音を奏でてくれるのだろう。
冒頭、高らかに軽やかに響くトランペットのソロ。
ファンファーレのように軽やかだけれども、しっかり芯のある音に期待は膨らむ。
そして弦が鳴り出したときに感じた。
あー、この弦の迫力。
唸るような低音、ぶれない中音、勢いのある高音。
ドイツオケの迫力ある弦は、マーラーに欠かせない。
どんだけ管が迫ってきても負けない弦だった。
管は個人のバラツキが気になった。
また、中盤のアンサンブルとピッチの乱れも気になった。
大きくテンポを揺らしていた訳ではないけれど、あの乱れは何だったのだろう。
もちろん最後はインバルさんの手腕で見事にまとめてくれてはいたけれど、何だか勿体無い箇所があり、その点が残念だった。
もう少し緊張感のあるマーラーの方が個人的には好きなので、その点においても好みとは違ったかな。
でも、仕事帰りの疲れた心身に響くマーラーは良いもの。
何だかんだ言っても、エネルギーをもらって帰路についた。
マラ5に関しては、昨年の都響がコスパの良い素晴らしい演奏だったと思う。
またすぐにでもマーラーを聴きたい。
マーラー大好き!!
2017/3/22
会場:東京文化会館 大ホール
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽
[指揮]エリアフ・インバル
[独奏]上原彩子